君がいたから

「美奈子先生、いますか?
結愛、体調悪いみたいなので連れてきました」


保健室に入ると、香帆は保健室の先生を呼ぶ。

「結愛ちゃん、大丈夫?
熱測ってベットに寝てて 」


「げ、元気なので、大丈夫です 」


優しくて可愛らしい雰囲気だからみんなから下の名前で呼ばれている保健室の先生だけど、私にとっては恐怖でしかない。


理由はお父さんの知り合いだから
体調崩すと、いつも電話されてそのまま病院ってこともある。



「結愛、嘘はダメ
美奈子先生の言うこと聞いて早く測る 」


「私、結愛のこと抑えているから、香帆測っていいよ 」


「OK 」


美月に体を抑えられ、香帆に体温計を入れられる。

美奈子先生はその様子を見て多分お父さんに電話しているし………


「みんな、酷いっ 嫌い 」


そんなことを言って、もがいてもお構いなしに、続けられるけど………


無駄な抵抗というものをどうしてもやってしまう。




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