君がいたから
「結愛、可愛すぎ…」
チュッ
ほっぺたにキスされた…
「蓮のバカっ 」
ちゃんと呼んだのに…
嬉しいけど、不意打ちでされると
心の準備が…
「さっきの仕返し…
結愛に触れられると俺だってドキドキするんだから 。でもここにしないと不満か…」
唇を人さし指でなぞられる。
たしかにほっぺた触ったけど…
言い返したい気持ちもあるけど
これ以上ドキドキしたら壊れる
やっぱり蓮にはかなわないな…
観念して蓮先生の方を見ると、パチっと目があって、お互いに笑い合った。
「結愛………」
しばらく時間がたった頃
蓮先生は笑顔のままだったけど、
目の色だけ変わった、そんな気がした。
「昨日の話の続きだけど… 」
楽しい時間が過ぎる中でも
直感で病気の話をいつかされるのは
わかっていた。
どんなに幸せでも病気に蝕ばまれているんだよね。
「…うん 」
怖さは時間が過ぎても変わらない。
むしろ大きくなっているかも
でも、今は逃げないでちゃんと聞かないと、
「手繋いで? 」
「わかった 」
手が自由に動くと
弱い自分が出てきて耳を塞いでしまうと思う。
だから、蓮にしっかりと握っててもらう。