君がいたから
「ごめんね…恥ずかしいよな
結愛、手震えていたから、
自分で脱ぐの辛いと思って 」
蓮の手のひらが自分の手にそっと触れて、
初めて小刻みに震えていることに気づいた。
私の様子を見て
気持ちを理解しようとしてくれているんだよね…
とてつもない恐怖の中に、嬉しさも混じって
不思議な気分…
「よしよし……… 頑張ろうな」
少しの間ギュッと抱きしめられてからうつ伏せの状態で寝かされる。
「動くと、危ないから固定する看護師呼ぶね
」
「…うん 」
蓮と同じくらいの年の男の看護師さんが
目の前にきた。
「こんにちは 看護師の渡辺 和樹です
よろしくね 」
うつ伏せ状態になっているのに私の顔を見てニッコリと笑ってくれた。
「ごめんね、少し固定するね… 」
「…はい 」
目をギュッと閉じ
蓮の顔を思い浮かべる…
蓮がやってくれるから大丈夫…
大丈夫だよ…