君がいたから
「結愛、 リラックスだよ
力が抜けるように少し深呼吸しようか? 」
ポンポンと背中を叩かれると
蓮の手の温かさが伝わってきて力が少し
抜けたみたい…
「上手だよ…
麻酔刺すから、少し痛いけど我慢して…」
ヒンヤリとする感覚で、ピクって
動かしそうになったけど、ガッチリと固定されてしまった。
その直後背中に鋭い痛みを感じる。
「痛いー やだやだ グスン ヒック 」
背中に刺されるのこんなに痛いんだ…
我慢できないほどの痛みで背中を動かそうとするけど、全く動かない。
「麻酔は終わりだよ。
次は本番の針を刺すけど、痛くないから大丈夫だよ…」
背中をポンと撫でられるけどゴム手袋の感触………
いつもみたいな温もりは感じないけど
蓮の心の温かさは充分すぎるほどに伝わった。
「グリグリして気持ち悪いけど少し我慢だよ 」
なんともいえない変な感覚に
顔をしかめる。
痛みは、なかったものの…
あの太い針が背中に刺されているのを想像するだけで…動悸がする。