君がいたから
「結愛は優しいね
でも、もし結愛が病気でもお母さん落ち込まないよ………」
シーンとした病室に響くお母さんの声に驚く。
落ち込まないのは安心だけど、何かが心に引っかかる。
私が病気でも落ち込まないって
お母さんに嫌われちゃったのかな?
落ちこむ姿は見たくないけど
何も思ってくれないとなるとショックだよ。
なんか矛盾している…
でも、お母さんはそういう意味で、言ったんじゃなかった。
「だって、蓮先生が結愛のことを守ってくれるでしょ?
お母さんだって心配だけど、結愛と蓮先生のこと信じているから、悲しむより応援するよ」
「お母さん、ありがとうっ …グスン」
よく見ればお母さんの
顔には涙のあとがたくさんあった。
でも、これ以上私が暗い気持ちにならないように
元気づけようといてくれているんだよね。
お母さんの優しさにしばらくの間涙が止まらなかった。
「結愛は泣き虫なんだから
でも、もう蓮先生きているから………… 」
ドアの方を見ると蓮と目があってニコッて微笑まれる。
そして、蓮の後ろにはお父さん…
泣きすぎていたから気がつかなかった。