君がいたから
「…頑張ったら絶対………治るの ?
これからずっと生きていける ?」
そうたずねると蓮の顔がこわばる。
いくら医者でも神様じゃないんだから
絶対なんて言えるはずはない…
だけど、今は少しでも希望がほしくて、
困らせることを言ってしまった。
「…効果があるかは、抗がん剤を投与して
しばらくしないとわからない…
人によっては全く効かない場合もある 」
「そうなんだ……… 」
もし効果がなかったら死んじゃうの?
口から出かかった言葉を無理矢理止める。
そんなこと聞くのは怖い。
抗がん剤は副作用とかあって
その上背中に注射して入れるなんて
そんなキツイことをやっても治らなかったら
嫌だよ。
「でも、絶対治したいし、結愛のことも支えるから
耐えてほしい 」
真剣な瞳に見つめられて、すぐ蓮に
体全体を包まれる。
そんな様子をお父さんとお母さんが見て
椅子から立ち上がった。
「俺たちはもういくから蓮あとは
よろしく。結愛、また結菜といっしょにくるから 」
二人は出ていってしまったけど
私に気を遣ってくれているのが痛いほどにわかる。