この世界から消えた君に。
第一章
12月 25歳。
あれから、私は東京と言う大きな街から出た
あの時の記憶を消し去ろうと故郷に帰ったのだ。
だけれど帰っても何も変わらない。
5年たったというのに、あの時の記憶が昨日の事のように覚えている。
「……はっ!」
私は夢を見ていた。
「はぁ、私何泣いてんだろ……」
涙が溢れて、視界が見づらい。
蓮が死んでしまった夢……。
そう、私の彼は吉澤 蓮(よしざわ れん)と言う。
パジャマの裾で涙を拭いた。
寝ぼけながら、充電してあったスマホをタップした。
「え?もう9時!?」
慌てて、クローゼットに向かおうとすると床に放っておいた本に躓いた。
「ぎゃぁ!」
顔面から床にぶつけた。
昔から私はドジなところがあった。
それでも蓮はドジすぎる私を支えてくれたんだ……。
こんな風にコケたときも、笑って「大丈夫?」と言って手を差し伸べてくれた。
過去の出来事が蘇る。
もう蓮の優しくて眩しい笑顔は見れないんだ、と涙が溢れてくる。
そんな事を思い出して、ぼけっとしていると
「紗夜!もうすぐ10時よ!」
お母さんの声が聞こえながらも、聞き逃した私は顔を摩った。
「香奈ちゃん達と、待ち合わせしてるんでしょ?」
その言葉に私は、はっとした。
やばい。香奈に怒られる。
そう、今日は香奈(かな)と恵美(えみ)と最近できた近くのカフェに行くのだ。
あの時の記憶を消し去ろうと故郷に帰ったのだ。
だけれど帰っても何も変わらない。
5年たったというのに、あの時の記憶が昨日の事のように覚えている。
「……はっ!」
私は夢を見ていた。
「はぁ、私何泣いてんだろ……」
涙が溢れて、視界が見づらい。
蓮が死んでしまった夢……。
そう、私の彼は吉澤 蓮(よしざわ れん)と言う。
パジャマの裾で涙を拭いた。
寝ぼけながら、充電してあったスマホをタップした。
「え?もう9時!?」
慌てて、クローゼットに向かおうとすると床に放っておいた本に躓いた。
「ぎゃぁ!」
顔面から床にぶつけた。
昔から私はドジなところがあった。
それでも蓮はドジすぎる私を支えてくれたんだ……。
こんな風にコケたときも、笑って「大丈夫?」と言って手を差し伸べてくれた。
過去の出来事が蘇る。
もう蓮の優しくて眩しい笑顔は見れないんだ、と涙が溢れてくる。
そんな事を思い出して、ぼけっとしていると
「紗夜!もうすぐ10時よ!」
お母さんの声が聞こえながらも、聞き逃した私は顔を摩った。
「香奈ちゃん達と、待ち合わせしてるんでしょ?」
その言葉に私は、はっとした。
やばい。香奈に怒られる。
そう、今日は香奈(かな)と恵美(えみ)と最近できた近くのカフェに行くのだ。