この世界から消えた君に。
私も、新しい出会いをしないといけないのは分かっている。

でもまだ、蓮のことが好き。

叶わぬ恋をしているんだ……。

カラン、カラン

新しくできたカフェの、オシャレなドアを開けた。

中は、木の匂いとコーヒーの苦い香りが漂っていた。

中に入り、窓側に視線を移すと、

「さーよー?10分も遅れてるじゃない!」

案の定。顔が見るからに怒っていた。

「ごめん、寝坊しちゃった」

あはは、と笑ってみせると香奈は余計怒ってしまった。

「あはは、じゃないの!」

隣に座っている、恵美は苦笑いしていた。
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