直球すぎです、成瀬くん
中学生の頃、告白された相手はよく知らない人だった。
知らないといってもクラスが一緒の男の子で、もちろん顔と名前は知っていた。
けれどどんな人なのかわからなくて、好きかそうじゃないかなんてわからなかった。
「……は、はい、私で、よければ…」
けれど、断ったら嫌われると思った私はそれを受け入れた。
嫌われたくない。
その思いが私は人一倍強かった。
好きかどうかわからない相手とのお付き合いは、盛り上がることはなかった。
何をするにも何を訊かれても、私は全部相手に合わせた。それが1番、穏やかにお付き合いできると思ったから。
けれどそれはきっと間違っていたのだと、3人目の相手に振られて何となく気づいた。
全てにおいて相手に合わせに合わせた結果、
『付き合ってても、楽しくないわ』
『一緒にいてもつまんない』
『何か、思ってたのと違った』
ごく数ヶ月でそう言われ、お別れしてきた。
そうだよね……そう、私と一緒にいても、楽しくなんてないよね………
自分がこんなだからとわかってはいるけれど、私は少しずつ男の子との接し方がわからなくなって、向き合うのが怖くなった。