直球すぎです、成瀬くん
「さっさと本返して帰んぞ」
「……えっ…」
日誌の書き漏れ、誤字脱字がないかを再度確認して職員室へそれを持っていき、急いで教室へ戻ると、返却する本を抱えた成瀬くんが鞄を肩に、立っていた。
「……っだ、大丈夫です、本は、私がやるので…」
「この量おまえ1人は余計時間かかるわ。さっさと終わらせて帰って勉強でもしろ」
「……っ、」
有無を言わさぬ物言いに、私はただ黙って成瀬くんについて図書室へ向かうことにした。
「…っあ、あの、成瀬くん……ほ、本、持ちます、私…」
「うるせぇ時間の無駄だ」
「………す、すみません…」
静かな廊下に足音だけが響く。何だか気まずくなった私は、ふと、前を歩く成瀬くんが本を全て持ってくれていることに気づいて慌ててそれを申し出た。
…が、即刻断られてしまった……し、しかも、何てストレートにトゲのある言い方を…………
あえなくただ後ろをついて歩くことしかできなくなった私は、それ以降何も発することなく図書室へ到着した。
中に入るといつもの静寂が広がり、先ほどまでの沈黙とは違って、何だかほっとする。
この時間だからか座って勉強する生徒も、寝ている生徒も、誰もいなかった。
「………あ、れ、」
返却のカウンターへ向かうと、そこにいつもいるはずの図書委員の姿がない。
え……ど、どうして………?
軽く辺りを見回しても、人の気配は全くない。