直球すぎです、成瀬くん



それ以降もほぼ毎日のように放課後は図書室へ行き、4人で試験勉強に力を入れている。


試験もいよいよ数日後に迫った今日も、4人で勉強中。



「あたし、ちょっと飲み物買ってくる〜」


みんな集中してそれぞれで勉強を進めていると、ふと、まりなちゃんが握っていたシャーペンを置いた。


「じゃああたしも行こうかな、ちょうど喉渇いたし」


同様にシャーペンを置くと、玲可ちゃんは軽く伸びをした。


「私も。柚も行く?」

「……あ、や、私は、水筒、まだ残ってるから…」


言いかけて、はっと口をつぐむ。

…ここは、みんなと一緒に合わせるべきでしょ私……!


「…や、私も一緒に…」

「んじゃ、柚はお留守よろしく!」

「…え……?」


慌てて言い直そうとした私に、まりなちゃんがそう言った。


「え…でも、」

「そんな顔しないでよ〜すぐ戻ってくるから!」


ね!と私の肩をぽんと叩いたまりなちゃんは、さっさと行って戻ってこよ!と2人を連れて図書室を出ていった。



……な、何か、私今、絶対に失敗したよね…………?


合わせようとしていたのが明らかにバレバレな言動……今までの私なら、もっと自然に、合わせられてたのに…何で、私も行くって、すぐに言えなかったんだろう……


思わず頭を抱える。

まりなちゃん、絶対気遣ってたよね………



「…何してんの?」


「……っえ…」


頭上から声がして、下がっていた顔を上げると、そこには成瀬くんの姿があった。


「……な、成瀬くん、どうしてここに……?」

「…あー、めんどくせーのに捕まって、逃げてきた」

「え…」

「ここ、おまえいるかなと思って」

「え……?」



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