直球すぎです、成瀬くん
「やっぱりさ、クリスマスだからチキンは外せないよね〜!」
「あ、あたしピザ食べたい」
「いいね〜!頼も頼も!」
「あ、ここのピザ、ケーキもある!」
「うっそホント!?頼もうよ!」
まりなちゃんと玲可ちゃんの食べたいものに賛同する形でいくつか頼み、数十分で頼んだ料理が届いた。
「では……メリークリスマ〜〜ス!!!!」
「カンパーイ!」
テーブルいっぱいに並んだ料理に手を伸ばしながら、口々に美味しい、と言いながらしばらく食べていた。
「今年もあっという間だね〜」
しばらくして、ジュースをごくりと飲み干したまりなちゃんが、おもむろに口を開いた。
「この前入学式だった気がするのにね」
「え、でもさ、勉強合宿懐かしくない?」
「あーそんなのあったね、記憶から消してたわ」
今思い出したかのように笑った玲可ちゃんにつられて、百叶とまりなちゃんも笑った。
ーーー『おまえ、見ててムカつく』
……勉強合宿……成瀬くんにことごとく嫌われたんだということを思い切り自覚したあの時のことを思い出して、私は思わず苦笑いしてしまった。
「てか彼氏できなかったあ〜〜、彼氏どころか好きなヒトすらできなかったあ〜〜」
追加のジュースをコップに注ぎながら、まりなちゃんは項垂れた。
「え、宮城くんは?」
「だから宮城くんは推しだって〜」
「そうだったそうだった」
笑うと玲可ちゃんはポテトをつまんだ。
「で、玲可は?そういう話聞かないけど何かないの?」
「何かって……」
苦笑した玲可ちゃんは、またポテトに手を伸ばすと口を開いた。
「強いて言うなら、バ先の先輩と仲良いかなーくらい」
「ちょっと何ソレ聞いてないよ!?」
両肩を掴み、カッと目を見開いて完全に玲可ちゃんをロックオンしたまりなちゃん。
「いつから?先輩って高校生?大学生?ダレ!?」
「…ま、まあまあ、まりな、落ち着いて…!」