直球すぎです、成瀬くん



「うん猫!え、出ない?うちのガッコの近くわんさかいたんだけど」

「……い、や……うちの学校付近は、見たことないかも……」

「え、嘘うちだけ!?」



………いや、猫でよかった、よかった。

出た、と言うから、私はてっきり、怖いものを想像してしまっていた。


「まりなほんっとに猫好きだからさ、そこに出てくるって知った途端頻繁に公園行くようになって。何回行ったんだろ……もう数え切れないよね」

「うん、ほぼ通ってたもんね」


まりなちゃんはくしゃっと笑うと、コップに入ったジュースを飲み干した。


「ね、2人はさ、猫と犬どっち派?」

「その質問って永遠のお題だよね、きのことたけのこどっち?みたいな」

「あたしは圧倒的猫で、玲可はどっちかっていうと犬なんだよね」

「あの野良は可愛かったけど、やっぱり家に犬いるから犬派なんだよね」

「ね、どっち好き?」


コップに追加のジュースを注ぎながら、まりなちゃんが私と百叶に訊く。


ど………どっち……………


どっちかといえば……たぶん、犬の方が好きだけれど………………まりなちゃんに訊かれてる以上、ここは猫って答えた方がいいよね……………



「んー、私、どっちも好きかも」

「え!意外!百叶は犬派かと思ってた!」

「そう?」



………ど、どうしよう……………!


百叶がどっちも好きと答えたことにより、私が犬か猫、どちらかを答えてしまえば票が偏ってしまうことになる。



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