直球すぎです、成瀬くん



猫と答えれば玲可ちゃんが1人になっちゃうし、かと言って犬と答えたらまりなちゃんが1人になってしまう…………あ、でも百叶がそれぞれに1票入れてるから1人にはならないか……………けど、どっちかで答えたところで票は結局かたよ……


「で、柚はどっち?」

「へっ…?」


頭の中でぐるぐると考えていたら、まりなちゃんのぱっちり二重が私を捉えていた。


……ど、どうしよう………早く、答えなきゃ……………




「………わ、私は………っ、ど…っ、どっちも、好き、かな…」

「柚もどっちもか〜!もしかして猫派とか犬派とかもう言わなかったりする?」

「や…どうだろ、言う人は言うんじゃないかな」


片方の頬を膨らませたまりなちゃんに、百叶がフォローを入れた。


「も、もちろん猫可愛いよねっ、猫好きだよ…!けど犬も好きなんだ、可愛くて…!」


私はまりなちゃんの反応に焦って、慌ててそんなことを口走った。

そして言ってしまってから、何て内容のないことを言ってしまったのだろうと思わず頭を抱えそうになる。



「わかる〜やっぱ猫可愛いもんねっ!」

「柚も百叶も、どっちの良さもわかった上でのどっちも好きってことでしょ?」

「あたしまだその域行けてない〜〜」

「まりなはそれがいいんじゃないの?超愛猫家って感じで」

「超愛猫家の土屋さん、家族私以外みんな猫アレルギーで飼えてないんですけどね」


ああー猫飼いたい〜っ!と伸びをするまりなちゃん。



……………な、何か………逆に気を遣わせてしまったような………………

私は妙な罪悪感を覚えた。



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