直球すぎです、成瀬くん
「はーーーい静かに!しーずーかーにー!」
「俺リレー!アンカーね!」
「おめーがリレーアンカーはどう考えてもネタだろっ」
「はあっ!?」
「そこらへんの男子うるさい、参加禁止にしますよー」
「エッ、せんせーそれはカンベン、まじごめん」
「ぜってー思ってないタイプの謝罪じゃん」
教室内の温度が一気に上昇する。
いよいよ、6時間目がやってきた。
先生が教室に入ってきて、体育祭の出場種目を決めますと口にした瞬間、いつもクラスの中心にいる男子数人を筆頭に、教室内は一気に賑やかになった。
高校生になって初めての大きなイベント。私も密かに胸を躍らせていた。
「とりあえず、種目黒板に書きます。参加するのは1人2種目必須で、それ以上は人数と枠の数見て決めます」
そう言うと先生は黒板に種目を書き始めた。
100m、200m走の短距離から、800m、1000mの中距離はもちろん、王道かつ1番盛り上がるクラス対抗選抜リレーに、借り物競走や綱引きなどの種目もある。
そして、まりなちゃんが一際目を輝かせていた応援団も、参加種目の1つとして含まれていた。
この中から、まずは1人2種目、参加するものを決めることに。
「じゃあとりあえず、挙手制で決めようかな」
「センセーしつもーん」
「どうぞ」
「応援団ってナニすんの?」
「みんな頑張れよーって、長ランにハチマキで応援するやつね」
「説明雑ぅ〜」
いいから決めるよ、と先生の声に、それぞれが出たい種目を考え始めた。
みんな周りの席同士で話をしている。
本当は私も百叶と話をしたかったけれど……あいにく席は離れているためそれはできない。
さっきのお昼休み中に聞いておけばよかったかも…と今更ながら後悔する。