直球すぎです、成瀬くん
ーーー時刻は、13時を少し過ぎた頃。
「んーー…」
私は腕を伸ばして大きく伸びをした。
少し、休憩しようかな……
私は椅子に座ったまま、窓の外に目を向けた。
真っ青な空には、白くて大きな雲が浮かんでいる。遠くの方でセミの鳴き声も聞こえた。
ぬるい風が窓からゆったりと流れ込んできて、私は小さく息をついた。
夏休みになった。
去年の夏休みは受験勉強に追われてあまり休みという感じがしなかったから、ちゃんと休める夏休みは久しぶり。
とは言っても、学校からは各教科ごとに夏休みの宿題がそこそこな量配られた。ちゃんと計画を立ててやらないと終わらないと悟った私は、毎日コツコツと宿題と向き合っていた。
…うん、でも順調。このペースで頑張れば、夏休みが終わるまでに間に合う。
机の上に広げたプリントの束を見つめて、小さく頷いた。
………夏休み、かぁ…
窓の外を見ながらぼーっとしていると、不意にスマホが鳴った。
机の上で画面を光らせたそれは、誰かからのLINEメッセージの受信を知らせていた。
私はスマホを手に取りLINEを開いた。
【明日遊びに行かない?】
「っ、!」
メッセージの送信主は、百叶。
しかも、遊びの誘いの連絡。
私は思わずスマホを高く掲げた。
は、初めて………友達から、夏休みに遊ぼうって言われたの…………!
その喜びを噛み締めながら、私は早速返信した。
友達と、しかも百叶と、夏休みに遊びに行けるなんて………!
そしてすぐに、明日着て行く服を選ぶべくクローゼットの扉を開けた。
心を躍らせながら、洋服に手を伸ばした。