直球すぎです、成瀬くん
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「では、俺らのクラスはメイド執事喫茶に決定でーす」
パチパチ、と拍手が響く教室。
黒板に書かれたその文字を見つめ、私は胸を躍らせていた。
夏休みが明け、クラスはまた、来たるイベントに浮き足立っていた。
いよいよ、この学校で1番盛り上がると噂の文化祭のシーズンに差し掛かっていた。
6時間目のロングホームルームで突如、先生から文化祭の話が切り出されると、クラスは一気に湧き立った。
出し物を何にするか、面白いくらいに次々と案が出てきて、多数決の結果、メイド執事喫茶をやることに。
中学の時も文化祭はあったけれど、高校ほどの規模はなくてこぢんまりしていた。
私はそれはそれで好きだったけれど、高校となるとやはり規模はそれなりに大きくなる。それもすごく楽しみ。
しかも、メイド執事喫茶なんて、少女漫画でしか見たことがないもの、まさか高校の自分のクラスでできるなんて………!
……メイド服を着た百叶、きっとものすごく綺麗だろうなぁ………
「じゃあ続けて、係分けしようと思うんだけど」
「メイド、執事、調理役…とか、そういうこと?」
「そういうこと。みんなそういう感じので、必要そうな係出してってー」
係分けもスムーズに話が進み、私は衣装係になった。