直球すぎです、成瀬くん



「衣装が届きました〜〜〜!!」


数日後、みんなで決めて注文した衣装一式が届いた。


ダンボールを抱えて教室に入ってきたリーダーを取り囲むようにして、衣装係みんなが集まる。



「開けるよ〜」


せーのっ、の声で開封。



「おおお〜っ!可愛い!!」

「可愛い!!ね、試着してみようよ!」

「いいね!」



ダンボールから出てきたのは、黒のミニワンピースにフリルが施された真っ白いエプロンが付いたメイド服。

ワンピースの袖はパフスリーブになっていて可愛い。よく見たら裾にもフリルが付いている。



「え、これも付いてた!何て言うんだっけこれ、カチューシャみたいなやつ」

「ホワイトブリム?」

「あーそれ!…って言いたいところなんだけど正解がいまいちわかんない」

「あたしもその名前初めて聞いたかも〜」

「てか何で名前知ってんの〜」



盛り上がる女子たちの姿を見て、私も思わず、少し笑顔になる。

……これ、やっぱり、百叶が着たらものすごく似合うだろうなぁ………




「…じゃあ〜試着係は、宮藤さんで!」


「………え……?」


名前を呼ばれた気がして、いつの間にかどこかへ行っていた焦点を慌てて合わせる。


目の前には、私に視線を送る女子たちの姿。



「やっぱり、この中で1番イメージに合うのって、宮藤さんじゃない?」

「わかる、小柄だし、黒髪だしセミロングだし!」

「……え……」


……わ、私………?



………い、いやいやいや、ない、ないない、あり得ない、私なんかが、こんな可愛いの、似合うわけない………!


「…あ、あの、私なんか…」

「じゃあさ、あっちの空き教室行こ!ね、みんなで!」

「え、えぇ……!?」



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