直球すぎです、成瀬くん



「…宮藤さん…」

「……やっぱ思った通り、めちゃくちゃ似合ってるじゃん〜!」

「あたしびっくりした!あまりに似合いすぎてて!」


「……え………、」



一気に中に入ってきた女子たちに取り囲まれる。



「柚、すごい似合ってるよ、可愛い!」

「…も、百叶……嘘…」

「ほんとだよ、ほんと!」


微笑む百叶を信じられずにいると、さらに信じられない言葉が飛んできた。


「ね、クラスのみんなに見せに行こうよ!」

「え、いいねそれ!賛成〜」

「え……」

「宮藤さん、教室戻ろ!」

「え……っ」


誰かが言ったのをきっかけに、空気は完全に教室へ行く流れに………う、嘘、無理だよ私、こんな恰好で……みんなに見せられるようなものじゃない…………!



「はい、宮藤さん行くよ〜」

「っえ、あ、あ…」


リーダーは私の腕を取ると、断る隙すら与えてくれずにそのまま教室へと歩き出した。





「みんな〜見てみて〜!メイド服が届きました〜っ」

「代表して宮藤さんに試着してもらいました〜!」

「……っ、」


教室前方のドアに立たされると、リーダーを筆頭に教室内に声をかける。その声で、中にいたクラスメイトの視線が一気に集まる。



………い、痛い、視線が、痛い………む、無理…………っ



「えぇ〜可愛い!いいじゃ〜ん!」

「でしょ!?」


数人の女子が駆け寄ってくる。私は反射的に小さくなった。


「宮藤さんメイド服似合いすぎっ!当日も着ちゃいなよ!お客さん集まりそうだし!」

「あ、それいいね!宮藤さん、当日メイドやってよ!ね!」

「え……、え、と…」



………む、無理、私なんかに、そんなこと…………っ




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