直球すぎです、成瀬くん

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文化祭が終わり、季節は秋ーーー

少しずつ肌寒く感じる日が増えてきた。


通学途中に並ぶ街路樹の大きなイチョウは、ここ数日で一気に色づいてきている。



「じゃあ、また明日ね」


「…っあ、うん、また明日」



放課後、いつもの道を途中まで百叶と帰り、いつもの場所で別れる。その背中に手を振り、私は自宅までの道を再び歩く。




………あ、また今回も、赤だ…………


高確率で赤信号のため、いつも足止めを食らう横断歩道。

信号機をぼーっと見ながら、歩くスピードを徐々に落とし立ち止まる。




「………あ…、」


信号機から目線を落とすと、すぐそこに、見覚えのある制服が目に入ってきた。


……この後ろ姿ーーー成瀬くんだ。


それを認識した途端、私の頭の中に、あの日言われた言葉がまた蘇った。




『他人に嫌われないように？周りの顔色伺って空気読んで自分の気持ちに嘘つきまくって、それで生きてて楽しい？』




………嫌われないように、嫌われないようにって、ずっと必死だった。

だから、表情を読み取るのも、みんなに合わせて笑うのも、普通だった。楽しいとか楽しくないとか、そんなこと、全然考えてなかった。


…だから、自分が嘘をついてるなんて、一瞬も思ったことがなかった。



……じゃあ、私は今までずっと、嘘をついていたの…？


百叶やまりなちゃん、玲可ちゃんとたくさん話して、笑っていたあの時の気持ちは、嫌われないようにと嘘で固めた、作り物だったの………？



……そ、そんなはずない……………



けれど、そこまで考えてまた、成瀬くんの言葉が蘇る。