星の向こうで待つあなたのもとへ
そして付き合い始めて三年目の七夕の日、その日は二人で天の川を家のベランダから見ていた。何度見ても天の川は綺麗。織姫と彦星が幸せを感じられますように、なんて願ってみる。

「あのね、話したいことがあるんだ」

ギュッと不意に手を握られて、私は彼の方を見る。彼は恥ずかしそうに言ってくれた。

「結婚、してください」

「……はい」

私は彼以外、結婚なんてあり得ないって思ってた。だからすぐに頷いて、彼にキスを落とした。これからどんどん幸せになっていく、そう信じて疑わなかった。

結婚式の準備を二人で進めて、二人が出会った七夕の日に式を挙げようと決めた。バージンロードを歩いて彼と永遠を誓う、その日を心から楽しみにしていた。

でも、その願いは叶わなかった。

結婚式当日、私は彼と式場へ向かっていた。その時、信号無視をした車が突っ込んできて、私たちは事故に巻き込まれてーーー……。

「残念ですが、ご主人は即死でした」
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop