星の向こうで待つあなたのもとへ
「死なないで!」

「先生、姉さんを助けてください!」

「織絵(おりえ)!織絵!」

三人の泣き叫ぶ声が聞こえてくる。ああ、愛しい彼が死んだ時、私もこんな風に泣き叫んだな。でも、その悲しみや苦しみももう終わり。私は今、星になったあなたに逢いに行くから……。

「今までよく頑張ったね。もう苦しまなくていいんだよ」

懐かしい声に、私はぼんやりとする視界の中で必死に声の主を探す。どこ?どこにいるの?

「ここだよ」

ふわりとカーテンが揺れ、紺色の着物を着てまるで彦星のような格好をしたあの人が現れる。

「やっと……会えた……」

ずっと逢いたかった愛しい人。私の目から涙がこぼれていく。その刹那、体が一瞬にして軽くなった。

「ここは……」

私は空の上にいた。天の川が煌めいている。もう視界はぼやけていない。そして私は羽衣を身に纏い、織姫のような衣装を着ていた。

「ここは僕たちがいるべき場所だよ。よく頑張ったね」
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