アリサはもう逃げられない
「アリサ、そろそろ出会って一年だ。俺と結婚しよう」
ハートの国の王はそう言い、亜梨沙の前に跪く。亜梨沙はおかしいと思いながらハートの国の王と指輪を交互に見つめた。
このゲームでは、確かに終わりが存在する。しかしそれは不思議の国の誰かと両想いになるところまでだ。結婚や婚約などはゲームの設定には存在しないはずだった。
それに何故、ハートの国の王が「そろそろ一年」と言ったのかがわからない。このゲームが発売され、亜梨沙がこのゲームを始めたのは一年前だった。偶然とは思えない。
「……戸惑っているのか?それはそうだな。一年だの結婚だの、本来の台本にない設定があればな……」
ハートの国の王はフッと笑い、立ち上がる。その刹那、大広間の扉が開いてマッドハッターたちも入ってきた。みんな花束や宝石を手にしている。
「アリサ、この中で誰と結婚したい?誰と幸せになりたい?」
無邪気に白ウサギが訊ねるが、その目はどこかギラついていて怖い。まるで自分以外を選ぶなどあり得ない、と言いたげなものだ。
ハートの国の王はそう言い、亜梨沙の前に跪く。亜梨沙はおかしいと思いながらハートの国の王と指輪を交互に見つめた。
このゲームでは、確かに終わりが存在する。しかしそれは不思議の国の誰かと両想いになるところまでだ。結婚や婚約などはゲームの設定には存在しないはずだった。
それに何故、ハートの国の王が「そろそろ一年」と言ったのかがわからない。このゲームが発売され、亜梨沙がこのゲームを始めたのは一年前だった。偶然とは思えない。
「……戸惑っているのか?それはそうだな。一年だの結婚だの、本来の台本にない設定があればな……」
ハートの国の王はフッと笑い、立ち上がる。その刹那、大広間の扉が開いてマッドハッターたちも入ってきた。みんな花束や宝石を手にしている。
「アリサ、この中で誰と結婚したい?誰と幸せになりたい?」
無邪気に白ウサギが訊ねるが、その目はどこかギラついていて怖い。まるで自分以外を選ぶなどあり得ない、と言いたげなものだ。