アリサはもう逃げられない
「俺たちから逃げるつもりか？そうはさせない」

ハートの国の王が亜梨沙の腕を強く掴む。「痛い！」と亜梨沙が涙声で言うと、ガチャンという音と共に両手が自由に動かなくなった。手錠をかけられたからだ。

「提案なんだが、俺たちは全員アリサのことが好きだ。しかしアリサは別の人間に恋をしている。それならばそんな想いを消してしまうほど俺たちで甘やかして溶かしてしまうのはどうだろう」

ハートの国の王の提案に、白ウサギたちは目を輝かせて「賛成！！」と言う。

「部屋に閉じ込めて、毎日キスをして、キスになれたらその先のこともたっぷり教えてあげるね」

マッドハッターがそう言い、亜梨沙の頬を撫でる。亜梨沙は「嫌！！」と言って逃げ出そうとするが、腕を強く掴まれ、手錠をかけられているためうまく抵抗できない。

「大丈夫、俺たちに従順にしていてくれれば殺したりしないから」

チェシャ猫がニタリと笑って泣き出す亜梨沙を見つめる。

囚われた亜梨沙はもう逃げることができないだろう。
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