We can change〜仲間がいる限り〜

「ええ、知っているわ」

そう言った後、オズは「叔父さんたちと何かあったの？」と訊ねる。ドロシーは暗い顔で俯いていた。

「叔父さんも叔母さんも、ガミガミブツブツ怒るだけでちっとも私を見てくれないの。私が本当の家族じゃないからなのかな？私には家族がいないんだって思うと悲しくて……」

ドロシーはそう言い、「このままどこかへ消えちゃいたい」と泣き始める。オズはドロシーを優しく抱き締め、しばらくしてから口を開いた。

「ドロシー、もしもドロシーがたった一人で知らない国に連れて行かれたら、真っ先に誰のもとへ行きたいって思う？誰の顔が一番最初に浮かぶ？」

「……叔父さんと叔母さん」

「二人はね、ドロシーのことを本当に想っているからそんな風に言うのよ。だって本当に嫌いだったらドロシーに何も言わないと思うの。二人はきっと、ドロシーを家族だと思っているわ」

オズがそう言った刹那、ドロシーはさらに泣き始める。そしてオズは三者面談の後に叔父さんたちが言っていた言葉をオズに聞かせた。