We can change〜仲間がいる限り〜
ライオンの悩み〜僕たちには、勇気がない〜
「あら、料理の本……。見てみようかしら」

その日も図書室にやって来たオズは、新しく入ってきた料理のレシピ本を手に取る。そして椅子に座り、いつものように読書を始めた。

「オズ先生〜!!」

「相談で〜す!!」

バタバタと走りながら、二人の男子生徒がやって来た。初等部のライオンの双子の男の子だ。

「レオ、リオ、どうしたの?」

抱きついて来た二人の頭を撫で、オズは訊ねる。レオが顔を上げて「僕たち困ってるんだ!」と言った。

「なら話を聴くから座ってくれる?」

オズはそう言い、二人を椅子に座らせる。初等部に通う生徒もオズに相談しに来ることも多い。しかし、低学年が相談しに来ることは珍しい。

「僕たち、男なのに勇気がないんだ。虫は怖いし、雷や地震で泣いちゃうし、お肉も食べられないし……」

リオがそう言い、レオも「先生、どうしたらいい?」と訊ねる。オズは勇気がないという二人を見て、あることを思い出した。
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