ダルメシアンのような君【完】
「じゃあー……″ダル″は?」
″ダルメシアン柄のスウェットを着ているから″という安直な理由で私はそう言った。
我ながらなんの捻りもないな……と思ったくらい。
「ダル?うん、いいよ。気に入った!じゃ、おねーさんまたねー!」
彼ーーもとい、″ダル″は私の部屋を出た後も、私のベランダに向かって手を振り続けた。
「ーーヘンな子」
そう呟き、私はベランダからそんなダルの様子を見続けた。