ダルメシアンのような君【完】
「これってオトナはフツーなの?」
ダルはスプーンを口にくわえながら、小首を傾げる。
その仕草があざといなあと思いながらも、んーと唸って考えた。
「どうだろ。私、料理作るのだけは昔から好きだからさ」
幼い頃から勉強やスポーツは人より出来なかったけど、料理だけは出来た。
それは両親が共働きで、下に弟や妹もいたからかもしれないけど。
私の唯一得意なこと。
それだけは他の人に譲れなかった。
「そうなんだ。いいお嫁さんになれそうだね」
ダルはニコッと微笑むと、ご馳走さま、と言ってまた流しに食器を片付けた。