ダルメシアンのような君【完】



「ユワさん作るものなら何でもいいよー」


「何でもいいよが1番困るんだよ?」


「じゃあ、肉じゃが作って欲しいな」



肉じゃが?


若い子だから、和食よりもハンバーグとかグラタンとかの洋食のが好みかと思ったのだけど。



「いいよ。和なもの好きなんだね」



私が何気なしにそう言うと、ダルは少し哀しそうな瞳をした。



「うん。お母さんの思い出の味だからさ」



その瞳を見て、私はダルの母親がこの世にいないことを察した。



< 26 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop