ダルメシアンのような君【完】
「ユワさん作るものなら何でもいいよー」
「何でもいいよが1番困るんだよ?」
「じゃあ、肉じゃが作って欲しいな」
肉じゃが?
若い子だから、和食よりもハンバーグとかグラタンとかの洋食のが好みかと思ったのだけど。
「いいよ。和なもの好きなんだね」
私が何気なしにそう言うと、ダルは少し哀しそうな瞳をした。
「うん。お母さんの思い出の味だからさ」
その瞳を見て、私はダルの母親がこの世にいないことを察した。