17時、カフェオレ。
きっとここで、先輩がミルクティーを飲む日なんて来ない。
先輩はずっと、ここでカフェオレを飲み続ける。
カフェオレ捨ててミルクティーを選ぶ日なんか来ないんだ。
「…先輩」
「ん?」
「私、理玖先輩のこと諦めます」
「え!?」
先輩のこと大好きだから
先輩が幸せなら、全力で応援するしかないんだよね…
「きっと忘れられないし、好きな気持ちも消えないけど…
でも、先輩の幸せ願います」
「…それで、優奈ちゃんはつらくないの?」
「…たぶん、今まで通りってのは無理だと思います。
でも私はここで理玖先輩を見てるだけでも幸せだったころがあったんです。
ここで先輩に会えるだけで嬉しかった頃があったんです。
…だから、あの頃に戻ればきっと大丈夫です」
今までみたいに一緒に笑ったりするのは当分無理かもしれない。
でも先輩の幸せ願うことを選ぶなら、自分の恋心なんて捨てるしかない。
どっちも幸せになるなんて絶対無理だから…
「…本当に健気すぎて俺が泣ける」
「いや先輩は泣かないでください」
「俺はもっと恋に貪欲になっていいと思うんだけどな」
「先輩は未希と幸せになってくださいね。
私、全力で応援も協力もしますから!」
「ありがと。ってあれ
俺未希ちゃんのこと好きだって言ったっけ?」
「え、いやなんとなくですけど…
好きであってほしいなぁって感じですかね」
「…まぁ、本気になったら本気でいかせてもらうけどね」
「応援してます!」