17時、カフェオレ。
―――カランカラン、
そんなことをしていたら、珍しくこの時間に先輩以外の人がドアの音を鳴らした。
「いらっしゃいませ」
すぐに立ち上がりドアの方を見ると
常連さんではなく、初めて見る女性が立っていた。
20歳くらいかな…すごいキレイな人…
「…あ、お好きな席に「紫那…?」
……え?
理玖先輩の震えるような声がして、先輩の方を見ると
先輩はすごく驚いた顔をして、彼女の方を見ていた。
「理玖、ひさしぶり。
5分遅れちゃったか」
時刻は17時5分
あぁ、この人か…と
…先輩の彼女かと、理解するまでに時間はかからなかった。
「…久しぶりね、理玖」
そうキレイな笑みを浮かべる彼女に
「…おっせーよ」
先輩は、私がその場にいるのを忘れてるかのように
彼女を抱きしめた。
「ごめんね、連絡もしないで」
「…待つって約束したから」
先輩の表情が少し照れ臭そうで
先輩の顔が少し赤くて
…先輩が、少し幼く見えて
全然、私の知ってる先輩ではなかった。