17時、カフェオレ。



「あれ、マスターは?」

「あぁ、今お子さんのお迎えに行ってる。
その間にこの子が今バイトで入ってるんだよ」


もう先輩たちを見ていたくなくて
実際目にすると、こんなにもしんどいのかと

…先輩の幸せ願うことを、ちょっと甘く見ていた。


…こんなに辛いとはちょっと思わなかったな…


「…優奈ちゃん?」

「えっ…あ、すみません
ご注文はお決まりですか?」

「あ、彼と同じものを」

「…かしこまりました」


先輩の幸せ願ってたのに
いざ、幸せそうな顔見ると

…胸が、締め付けられる。


やっぱり先輩は彼女のことが大好きなんだって思い知った。
彼女じゃなきゃだめなんだって思い知った。


私は歪みそうになる顔を、下唇を強く噛んで必死に耐えた。


「お待たせしました」

「ありがとう」



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