17時、カフェオレ。



私が来たから、マスターは支度をして今日もお店を出て行った。
私はまたここで1人きり。


――カランカラン、


「いらっしゃいませ」

「こんにちは。いつもの、ください」

「はい」


今日も、いつもの時間にいつもの席に、カフェオレお兄さんが座った。


「お待たせしました」

「ありがとうございます」



お兄さんはそういって、カフェオレを一口飲んだ。


そんなとき、私のスマホがブルブルっとなったので、私はお兄さんにバレないように、低い位置でスマホを見た。


『バイト中かな?
頑張って話しかけなよ!』


…もう、未希ったら。
そんな簡単に話しかけられたら苦労しないよ!!


「スマホ、見ていいよ?」

「えっ…?」

「俺しかいないし、俺は気にしないよ」

「え、ででもどうしてスマホって…」

「下から光が当たったから、スマホかなって」


あ、光…そっか…

……って、私!普通に話せてるじゃん!
話してるよ!!


あ、ありがとう…未希…


「…あ、あの」

「え?」

「…カフェオレ、好きなんですか?」


私は、勇気を持って
勢いで、話しかけた。


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