17時、カフェオレ。
「結構です。1人で帰れます」
「だから危ないって」
「…だから、先輩には関係ないです」
懲りずにそう言うと、先輩は深いため息を吐いた。
「…ごめん
関係ないは言いすぎたよ。
優奈ちゃんの言うことが図星で、つい…
その通りだから、なにも言い返すことができなくて
本当、俺情けなさすぎだよね。
…関係ないなんて思ってないから。
大事な後輩が、なにかに巻き込まれたら俺絶対後悔するから。
ね、だから一緒に帰ろう?」
「……いやです」
…大事な後輩、か。
後輩ってなんなの。私はそれ以上になれないの?
そんな立場、私にはいらないよ…
「…なら、俺話しかけないから
後ろからついていくだけだから
…それでも嫌?」
「いやです」
どうせ、先輩の特別にはなれない。
どうせ、ただの後輩でしかない。
だったらもう、そんな優しさいらないよ
「…じゃあ、将人呼ぶよ。
それならいい?」
伊藤先輩か…それなら全然問題ない、と思って
私は首を縦に振った。