17時、カフェオレ。



***


結局俺はそのまま教室に戻れなくて
いつの間にか、放課後になってた。


16時半、か。

喫茶店、行くか。
…優奈ちゃん、俺と話してくれるのかな。


怖いけど…でも
俺は、喫茶店に向かった。





16時45分、か。
紫那が来るまでの15分、優奈ちゃんと2人。

…大丈夫。いつもの笑顔が待ってるよ。


―――カランカラン、


俺は、意を決して喫茶店のドアを開けた。

このドアの音に、優奈ちゃんはこっちを見たけど
一瞬で俺から目をそらした。


「……いらっしゃいませ」


トーンの低い声に、逸らされた目。
いつもの笑顔は、見ることができなかった。
避けられて、当然だよな…


「……昨日、ごめんね」

「…カフェオレでよろしいですか?」

「あ、はい」

「お待ちください」


…シカト、か。
もうこれで本当に、前みたいに話すことなくなるのかな。

優奈ちゃんが俺に笑ってくれることってないのかな


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