17時、カフェオレ。



「…あの、優奈ちゃん」

「あ、はい」

「……そのミルクティー、将人はもう飲んだ?」

「え?いえ…昨日作ったものになるので」


え、なんでそんなこと聞くんだろう…?
いきなりそれ…?

なんかもっといろいろ言われるのかと覚悟してたのに…



「あ、味は…」

「美味しかったです。すごく」

「…ありがとうございます」


……え、えと…
なに、どうしよ…この空気…

ど、、どどど…


「…え、と」


落ち着け。落ち着くんだ、優奈!
頑張れ、優奈!!


「……なにか、飲みますか?」

「え、あ」


先輩は私の言葉に、席に座ってメニューを開いた。


……そういえば、先輩がメニューを広げるのって初めてみるや。
いつもなら迷わずカフェオレだったもんね。


「…もう、カフェオレはいいんですか?」

「……うん。
俺にはちょっと早かったかなって」


先輩はそう言って少し苦笑いをした。

…カフェオレは、見た目のわりに苦い。
ミルク多めでも、コーヒー苦手な人には飲めない飲み物。
見た目は可愛いのに、その苦さで
やっぱり無理って飲みきれない人もいるんだよね。


「…ミルクが好きなら、優しい甘さと深みのあるミルクティーはいかがですか?」


私がそういうと、先輩は私の顔を見て
すっごく優しい顔をして

「…じゃあ、おすすめのミルクティーをください」

「はい、かしこました。
少々お待ちください」

そう、言った。


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