17時、カフェオレ。



全く準備をしていなかったから、私は茶葉の準備から始めた。
すでに用意のあるコーヒーと違って少し時間はかかるけど、この香りがなんとも気持ちいいんだ。


「お待たせしました。
ゆなてぃーの、ミルクです」

「あ、文化祭のやつだね?」

「はい」


先輩はそういって、ミルクティーを一口飲んだ。


「…うん
深い深い優しい味。

おいしいです」

「ありがとうございます」


私が笑顔でそういうと、先輩はまたすごい優しい笑顔で、私を見た。


「…どうかしましたか?」

「あ、いや…
もう俺のこと嫌になったんだと思って」

「え、あ…
…そんなことないです」


嫌になんて、なるわけないじゃん。

嫌いになれたら、どれだけ楽なんだろうて、何回も何回も考えた。
…でも、仲良くなればなるほど、どんどん好きになっていって…会えない日が続いたことなんかなかったから
会いたくて、仕方なかったんだから…


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