17時、カフェオレ。



「優奈ちゃん、本当にごめん」


先輩はそういって、私に頭を下げた。


「え、ちょ…
そんな、謝らなくていいですから」

「でも俺、本当に優奈ちゃんにひどいこと言った。
俺のために言ってくれてたのに…紫那の本音から逃げてた俺にいっぱいいろんなこと言ってくれたのに、全部無視して、優奈ちゃん傷つけて

…そりゃ嫌われるよなって、思ったんだ」


先輩の表情が本当に辛くて
私のせいでそんなに悩ませてたなんて私は全然知らなくて

…こんな、思いつめさせてたなんて、知らなくて…


「…先輩、違うんです」


私の胸は、どんどん締め付けられていった。


「私は、先輩のためを思って言ってたわけじゃないんです」

「……え?」


もう、覚悟を決めたよ。
だって先輩だって、前に進んだんだもん。

本音から逃げるのは、私もやめるよ。


「私、先輩が好きなんです」

「えっ…?」

「私は先輩のためを思って言ってたわけじゃないんです。
ただ、先輩に紫那さんのことを諦めてほしかっただけなんです。

知っていながら
…ううん、知ってたからこそ、先輩にあの日、見送りに行かせたんです。
先輩が傷つくって知ってながら、私は行かせたんです。

私、本当最低ですよね」


私の話を、先輩は目を見開いて聞いていた。
こんな腹黒い部分を見て、先輩ドン引きだろうな。


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