17時、カフェオレ。
「先輩が謝ることじゃないんです。
…本来は、私が謝るべきことなんです。
先輩を傷つけさせたのは私だから…
すみませんでした。
いろいろ、口出ししちゃって」
私はそう言って、頭を下げた。
「もう先輩はここには来ないんだろうなって思いました。
だって来る必要、ないですもんね。
…だから、その水筒を置いてきたんです。
返してくるのを見越して。
先輩の優しさに漬け込んで…でも、
先輩に好きって言えたから、私はもう十分です。
今までありがとうございました。
本当に毎日、楽しかったです」
私はそう言って、もう一度頭を下げた。
夏にここで出会って、学校帰りに先輩に助けてもらって…
それからの毎日が、本当に楽しかった。
先輩に恋をして、私の毎日が本当に楽しかった。
「…優奈ちゃん」
「はい」
「…俺、明日からもまた来てもいい?」
「え?…でも、ここは紫那さんとの思い出の…」
「うん。でも
…優奈ちゃんに会いに来るって、そんな理由じゃダメかな」
「え…、えっ…!?」
先輩のその発言に
ときめきよりも驚きの方が大きくて
私の声は、大きくなってしまった。