17時、カフェオレ。



「あ、ごめんセクハラになる?」

「…はは、セクハラって。大丈夫です。
本当にありがとうございました」


私はそう言って、カフェオレを差し出した。


「今日はお礼に、それサービスさせてください」

「え、そんなのいいのに」

「私、本当に助かったので。
あのままだったらここにも遅刻していたし…

なので、それだけでは申し訳ないくらいなんです」

「…そう?」

「はい!」

「じゃあ、ありがとう」


お兄さんがそう言ってくれたから、私は先にお金を取り出してレジに230円入れた。


「ってか、同じ高校だったんだね?」

「あ、はい。
私もさっき初めて知りました」

「さっき、なんか揉めてるなーって思ってみたら、なんか見たことある子だなって思って。
俺最初思い出せなくてずっと見ちゃってたよ。

ごめんね、すぐ助けなくて」

「あ、いえ」


み、見られてたのか…
恥ずかしい…あんな現場を…


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