17時、カフェオレ。


「ここでマスターが淹れる、ミルク多めのカフェオレが彼女は好きだった。
俺は彼女からここを教えてもらったんだ」


…そう、だったんだ。
ここは彼女との思い出の場所なんだ…


「彼女は俺の3つ上で。俺の一目惚れだった。

いろんなこと頑張って付き合ってもらったんだけど、なかなか中学生と高校生じゃ時間が合わなくて…
だから、毎日17時にここで待ち合わせをしてたんだ」


そう語る先輩の表情が、やっぱりすごく愛しそうで、どこか寂しそうで…


「でも、去年の春に彼女はスイーツ作りの勉強をしにフランスへ行った。
それからしばらく寂しかったんだけど
いつだか、自然とここに足が向いたんだ。

それからかな。毎日、ここに17時にきて、彼女が好きなカフェオレ頼むようになったのは」

「……そう、だったんですね」


先輩がここにくる理由

それは、彼女に会いたいから。


たったそれだけのことだった。


やっぱり、寂しかったんじゃん。
今でも大好きなんですね。



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