17時、カフェオレ。
「いつ戻ってくるかとか、全然わからないんだけど
でも、ここで待ってるって旅立つ日に約束したから」
そう愛しそうにいう先輩に、私はなにも言えなくなってしまった。
そんなことも知らずに、先輩に会いたくてここに来た私がバカみたいで
先輩は彼女に会いたくてここにきてただけなのに
そんなことも知らずにここで先輩に会って喜んでた私は
バカすぎて、本当嫌になる
「じゃあ、カフェオレが好きなのは先輩じゃなくて
先輩の彼女なんですね」
「……うん」
はは、本当嫌になる。
…なんだよ、私…
私の作るカフェオレが好きとか、そんな言葉に喜んで…
ただ、彼女の趣味だっただけじゃん
…バカみたい。
「……マスター帰ってくるので片づけますね」
私はそういって、自分が飲んだミルクティーと、食べたケーキの空皿をシンクに入れ、先にお金をレジに入れた。
「あ、お金」
「いいです。今日は私が出す約束だったので」
「や、でも俺も…」
「本当に大丈夫ですから」
私はそれだけ言って、シンクの食器を洗い始めた。
普段、先輩がいるときは絶対そんなことしないけど…
でも、こぼれてしまいそうだったから
目から、なにかがこぼれてしまいそうだったから
私は先輩に背中を向けて、お皿を洗った。