17時、カフェオレ。
そんなことをがやがや言っていたら
―――カランカラン、と音を鳴らしてお店のドアが開いた。
「あ、いらっしゃい」
ドアの方を見たら、まだ16時ちょっとすぎなのに、もう理玖先輩が来た。
「あ、こんにちは」
「こんにちは。
何を言い合ってたんですか?」
「ん?優奈ちゃんが作ったミルクティーをうちの店でも置こうと思うんだけど、優奈ちゃんのネーミングセンスがなくて」
「いやいや、マスターもないですからね」
まったく、私だけじゃないよ。
「いいじゃん、ゆなみるくてぃー。
かわいいじゃん」
「全然可愛くないですよ」
っていうか、自分の名前を名前にするなんてやだよ。
安直な名前だし。
「ゆなみるくてぃーにするなら、いっそゆなてぃーまで略しちゃって、ミルクティーの説明書きを下に加えればいいじゃないですか」
「お、青年!いい案だ!
よし、ゆなてぃーに決定だ」
「え!?決定ですか!?」
「おう、決定!
ちゃんとメニュー書いとけ?」
「…はーい」
よし!!とか言って、マスターはメニュー用の紙を私に渡してきた。
ここに手書きでメニューを書いて、あのメニュー表に張り付けるだけなんだけどさ。