17時、カフェオレ。
「あ、先輩
カフェオレでいいですか?」
「うん、お願いします」
「お待ちください」
私はメニューの紙を置いて、先に先輩のカフェオレを淹れた。
なんか、おととい散々ミルクティーを淹れてたから、カフェオレを淹れるのがなんだか久しぶりだ。
「はい、お待たせしました」
「ありがとう」
そしてマスターは少し早いけど、お店も落ち着いてるから休憩に入った。
ま、お子さんのお迎えだけど。
私はカウンターでさっそくメニューを書き始めた。
「優奈ちゃん」
「はい?」
私はメニューの手を止め、先輩の方を見た。
メニュー書くなんて、すぐできちゃうしね。
「…あのさ、
将人になんでクッキーあげたの?」
…え。
え、クッキーって、文化祭のやつだよね?
ゴミ捨てに行った時の話だよね?
「え、とくに理由はありませんけど…」
ただただ余ってただけだし…
「…そか。
俺にはないの?」
「あ…ごめんなさい。
一応手作りなので、そんなに日は持たないと思うので、家族にあげちゃいました…」
「…そっか。残念。
俺も優奈ちゃんのクッキー食べてみたかったな」
え。えぇ!?
ほ、本当ですか…?
ま、伊藤先輩にあげたのはレシピは確かに私のだけど、作ったのは私じゃありませんけど…
「あ、あの…
そしたら明日、私クッキー作ってきます!」
「え?でも明日は学校だし悪いよ」
「大丈夫です!今日のうちに生地作っておけば、明日は焼くだけなので」
せっかくだもん!
先輩がそう言ってくれるなら、私は喜んで早起きしてクッキーを作ってくるよ!!
「…ありがとう」