17時、カフェオレ。



「おっはよ!」

「うわっ」

「わぁっ…
い、伊藤先輩!?」

「…驚かせないでくださいよ」

「悪い悪い」


もう学校に着く、ってときに
今度は後ろから伊藤先輩が私たちの間に割り込んで入ってきた。


「あれ、クッキー?」

「はい。理玖先輩にあげるんです1
この前、余ったやつあげられなかったので」

「あ、俺が理玖に自慢したからだな、それ」

「え?どういう意味ですか?」

「だから、俺は優奈ちゃんからクッキーもらえたけど、理玖はもらえてないから、理玖はきっと俺にヤキモチ焼いたってこと!」

「…えー
それ絶対可能性低いですよ」

「いーや、絶対そうだよ!
俺超わざとらしく理玖の目の前で食べて自慢したから!」


…なんなの、それ…
どんな食べ方したっていうの…


「先輩…ナイスです!」

「だろー!?
だから優奈ちゃん、頑張れよ!」

「2人で盛り上がらないでください!
っていうか、理玖先輩彼女いるんだからそんなわけないですよ」


あんなに彼女のこと好きって伝わってくるんだもん。
そんなこと、絶対にないよ!


「いやいやいや
彼女って言っても、もう一年半以上会ってないし連絡もなしだよ?
そういうの、世間では自然消滅っていうじゃん」

「でも理玖先輩はまだ好きですよ」


別れてるつもりなんて、全くないよ…


「でも!今が絶対チャンスだし!
俺優奈ちゃんのこと応援してるから!
頑張れ!」

「私も!ずっと応援してるから、頑張りなよ!」


…もうー、2人で盛り上がって…
こっちはまだまだ、ただの後輩だっていうのに…



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