17時、カフェオレ。



私はいつも通り、先輩のカフェオレを淹れてカウンターに置いた。


「…先輩って、彼女さんのこと大好きなんですね」


そんなことを聞きながら。


「え?」

「せっかく薦めてもカフェオレ選ぶんですもんね」


あの日、文化祭で出した食べ物はすべて、あのミルクティーに味を合わせた。
あのミルクティーに合うために味を自分なりにアレンジしたものだったんだけどな。

それ伝えても先輩は彼女の好きなカフェオレを選ぶんだもんね。


「それなら最初から私も
カフェオレに合うクッキーを作ってくればよかったですよね。
気が利かなくてすみません」


そういいながら、涙がこぼれてしまいそうになってしまって
結局ミルクティーは選んでもらえないんだと思ったら泣きそうになってしまって

私はすぐ後ろを向いた。


「ごめん
俺無神経だった」

「いえ、先輩はなにも悪くないですから」


泣きそうで

こぼれてしまいそうで


私は、マスターがしまっていかなかった食器を片づけた。
こういう時、こういうやりっぱなしが助かるよ、本当…


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