塩対応彼氏の恋愛事情。
「ねぇ玲華、今日って何の日?」
玲華に聞けばよかったんだ。
もしかしたらあの人…水瀬さんの事かも知れないし。
「今日?……別に、用事ごとはないはずよ。」
「清水さん…!」
玲華の言葉に過剰に反応した遊佐くんが気になる。
本当は何かあったけど、私には黙ってるみたいに。
「…とりあえず莉茉、今は治す事だけを考えて。」
私にそっと布団をかけた玲華は、ちょうど電話がかかってきて病室を出た。
「ごめんね遊佐くん、お仕事あるのに…」
お見舞いのりんごを剥いている遊佐くんに話しかけると、ナイフを持っている手が止まった。
「仕事より篠宮が大事だしな〜、俺。」
そう言ってニコッと笑った遊佐くん。
どうしてこの人は私なんかを好きでいてくれるんだろう。