塩対応彼氏の恋愛事情。


「…そういうの、反則だから。」


あ…水瀬さん、耳が赤い。

照れてる…のかな?



「すみません…」


私、どうしてこの人のことを忘れちゃったんだろう。

こんなに私の事を思ってくれている人のことを。





「水瀬さん」

「…ん。」

「私…、」


“早く貴方のことを思い出したい”



「……ごめんなさい、なんでもないです。おやすみなさい。」



思い出したい。
けど、少しだけ。

ほんの少しだけ思い出すのが怖い。




「…おやすみ。」


私の頭を撫でる水瀬さんの手は暖かいのに。





……何故か、少しだけ冷たく感じたのは気の所為なのかな。




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