塩対応彼氏の恋愛事情。


そして水瀬さんはまた窓の外を見る。

その横顔は綺麗だけど、どこか寂しそうで、やっぱり私の胸は痛んだ。



「莉茉」

「…っは、はい!」

じーっとただ水瀬さんを見ていると名前を呼ばれ、わかりやすく動揺してしまった。恥ずかしい…。





「……俺の事、忘れたままでいいよ。」


少し間が空いた後言われた言葉は衝撃的で、理解するのにも少し時間がかかった。



水瀬さんの事を忘れたまま…?

普通、好きな人が記憶がなければ寂しいと思うものじゃないのかな。





「…どうしてですか?」


聞きたいようで、聞きたくない。

水瀬さんがたまに悲しそうに笑う理由も。



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