塩対応彼氏の恋愛事情。
安心する、この大きな手…
「ついたね。」
次第に明るくなっていく遊園地はなんだか特別感があった。
こんな事、初めてだったから。
「ご、ごめんなさい…!」
そして電気がついて今の自分の状況を知った。
水瀬さんの肩に頭をおき、手を握っていたということ…。
「…残念。」
自分の手をグーパーさせながら、水瀬さんは少し拗ねたように言った。
「お客様、大変申し訳ありませんでした…!」
観覧車を降りると、乗る時に行ってらっしゃいをしてくれた店員さんが焦りながら謝ってきた。
「いえ、大丈夫ですよ。」
それに優しい笑顔で返す水瀬さんに店員さんは顔を赤くしてる。
「…モテるんですね。」
「妬いた?」
「……ノーコメントです。」